万年筆と私。2
(前の続き)

祖父からの2本の万年筆は相当使った。
ペン先を交換してリニューアルすればまだまだ使えるとは思うが、
なんだか古いペン先と共に祖父との思い出迄捨てて
しまうような気がして、交換せずそのまましまってある。


ウィーン留学中、誕生日を迎えた私は
ホストファミリーから万年筆をプレゼントされた。
ハーレーダヴィッドソンのロゴ入りで、
タイヤを模した黒いゴムで出来た太いボディで
バイク好きの私にはたまらなくカッコよく、
太字でとってもとっても書きやすかった。
後で知ったが、ハーレーダヴィッドソンと
フランスの筆記具ブランド ウォーターマンのコラボによる
デザイン万年筆だそうな。
日本円にして5千円くらい。
も〜〜〜 この万年筆はかなり気に入って、
何通のエアメールを日本に書き送った事か!

帰国してからも何年も使っていたが、
ゴムが劣化してきてベタベタするようになってしまった。
どうにかして同じ物はないかと探すも、既に廃盤。
ネットオークションでさえ無い。
『趣味の文具箱』という、万年筆雑誌を参考に、
文京区にある老舗の万年筆修理屋を尋ねた。

…が、店のオジサンに、

「こんな貴重な万年筆、僕が欲しいですよ!
 もう売ってないし、ゴムの劣化は修理出来ないので
 飾っておいた方がいいですよ!
 いやぁ〜〜〜、探してもコレはもう無いよ、いいなぁ!
 飾っておくだけの為にも欲しいという人はいると思います。」

ええええええええええ(TOT)!!!!

ってなワケで、本当に泣きそうになりながらも
お蔵入りさせる事に決めた。くぅぅ〜〜〜 (TOT)
しかしどうにも諦めきれずにネットで同じ物を延々探した。
でもどうにも(こればっか!)無いのでいよいよ諦めた。
それが芸大大学院(博士課程)在籍中の話。
(って、つい6年前だな…)

雑誌『趣味の文具箱』を数冊見ているうちに
「うおおおおお!!コレが欲しいっっっっ!!」
と、ビビッとくる万年筆発見っっ!!
ヴィスコンティのオペラ、サンセットオレンジ!!
し、しかし値段が高過ぎる!!
高給取りのエラい人が買うシロモノだよなコレは…(汗)

数日雑誌で眺めるも、どうにも欲しくなり、
大学帰りに東京駅前の丸善へ。
オペラは1本しか置いてなかった。
しかもマーブルの柄の出方が気に入らない。
店員さんが、

「オベラでしたら表参道の書斎館さんが置いてると思います。
 確認してみますね!」

といって、ご丁寧に電話してくださり、

「書斎館さんに現在4本在庫があるそうです。
 行ってみては如何でしょう?」


親切だなぁ!ヨソの店を勧めるとは!
行くしかないでしょうそれは!!(笑)

初めて行く表参道ペンブティック書斎館は、
私のような身分のイナカモノが入っていいのか?と
思うような高級筆記具ブティックで気後れした。
4本のオペラを出してもらい、マーブル柄の出方を見比べ、
うち1本ととってもとっても気に入ってしまった!!
同じ柄は2つと無いのだ。
身分不相応とは思いつつも、
東京タワーのてっぺんから飛び降りるつもりで買った!!
75000円っっっ!!!(大汗)
でもどうしても欲しかったので悔いなし。
嬉しくて嬉しくて、祖父の墓前にわざわざ報告に行った(笑)

しかしこのヴィスコンティ、
万が一故障や破損した場合は
本国イタリアに修理に送られるとの事。
そして数ヶ月戻って来なかったり、
道中で無くなってしまい、一生戻って来ない場合もある、と
『趣味の文具箱』内の読者のレビューが!
しかもボディを破損した場合、同じ柄が2つと無いので
新調する時は好みではないボディになってしまうかもしれない。
使うには物凄い注意を要する万年筆だ。
さすが高額なだけあるなぁ…(汗)

このオペラ、壊したらマズい!との思いから
気分的に毎日酷使は出来ず、月に数回のみの
使用をしつつ現在に至る。

画像の左がウィーンで貰ったハーレー万年筆。
ウィーンでの生活を思い出す1本。
右がヴィスコンティのオペラ。
パールがかったオレンジの美しいボディで、
ペン先のデザインも豪華だ。
華やかさはさすがイタリアのデザインだなぁと思う。
(つづく)

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by mikale | 2013-03-17 15:45 | 万年筆とか文房具とか
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